・アトレティコが苦しみ抜いてCLベスト8へ、PK戦の末にPSVを下す 210分スコアレスはCL初
15日のチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦セカンドレグ、アトレティコ・マドリー対PSVはファーストレグ同様にスコアレスドローで終了し、PK戦8−7でアトレティコがベスト8進出を果たしている。
アトレティコがPSVを本拠地ビセンテ・カルデロンに迎えるのは、アギーレ監督がチームを率いていた2008年11月28日のCLグループリーグ第5節以来。その試合は2戦前のマルセイユ戦での両ファンの衝突によって無観客で行われたが、今回は5万5000人でスタジアムが埋め尽くされた(今季8回目の満杯)。試合直前、4万枚の赤白の紙でアトレティという文字のモザイクがつくられたバックスタンドでは、「絶対に倒れてくれるな」という横断幕が掲げられている。
試合は攻守が激しく入れ替わりながらも、決定機に乏しい展開。アトレティコは14分、グリーズマンがコケとのコンビネーションによってシュートまで持ち込んだが、これはGKゾエトのセーブに遭う。また16分にはCKから、ペナルティーマーク付近のゴディンがヘディングシュートを放つも、枠の上へと外れた。一方のPSVはアトレティコの両サイドバックが空けたスペースを突いて、ペナルティーエリア付近まで容易に到達したが、オブラクのクロスへの素早い反応もあって明確なシュートチャンスをつくるまでには至らなかった。
後半の立ち上がり、アトレティコは高いインテンシティーでもってPSVゴールに詰め寄ったが、カラスコのクロスからコケ、CKからホセ・ヒメネスが放ったシュートは枠を捉えられず。シメオネ監督は猛攻が途絶えた55分に最初の交代カードを切り、アウグスト・フェルナンデスとの交代でフェルナンド・トーレスを投入する。絶対的なアイドルがピッチに立ったことで、盛り上がりを見せる観衆。アルゼンチン人指揮官は両腕を上下させながら観衆を煽り、その声援を一層大きくさせている。
まるで沸騰する大釜のようなカルデロンで、4−4−2からグリーズマン、F・トーレス、カラスコを最前線に置く4−3−3にシステムを変更したアトレティコ。だが、その後もPSVのプレーを完全には抑えられず、肝を冷やす場面も。57分、ペナルティーエリア手前からロカディアにミドルを放たれ、ボールはGKオブラクが触れた後に右ポストに当たった。
アトレティコは怯むことなく、観衆の後押しともにゴールへと迫っていくが、フィリペ、F・トーレスらはチャンスをものにすることができない。シメオネ監督は74分、カラスコとの交代でクラネビッテルをピッチに立たせて攻守のバランスを整える。その後も得点は生まれず、試合は90分を経過。延長戦に入ることを予感させる中、アトレティコはゴディンが負傷し、シメオネ監督はルーカス・エルナンデスを代わりに入れて交代枠を使い切る。そうしてスコアレスのままアディショナルタイム3分が経過し、延長戦に突入した。
延長戦、チャンスを生み出していったのはアトレティコだが、最後の詰めで精度を欠く状況は変わらず。94分にコケのCKからルーカスが放ったヘディングシュートはクロスバーの上に外れ、104分にサウールの横パスからグリーズマンが打ったシュートはゾエトの正面に飛んだ。延長戦後半には両チームとも運動量があからさまに落ち、ミドルレンジからのシュートがフィニッシュの定型に。結局スコアは動かぬまま、勝敗の行方はPK戦に委ねられた。
アトレティコのイムノ、そして同クラブのレジェンドであるアラゴネス氏のコールが起こるなどしてから、PSV先攻、アトレティコ後攻のPK戦がついに開始。PSVがギンケル、グアルダード、プロッペル、ブルマ、エクトル・モレノ、レスティエンウ、アリアス、アトレティコがグリーズマン、ガビ、コケ、サウール、F・トーレス、ヒメネス、フィリペとどちらも7本目までシュートを決める。決着がついたのは8本目。PSVはナーシンのシュートがクロスバーに当たり、一方のアトレティコはフアンフランがプレッシャーがかかる中でしっかりとシュートを決め切った。観衆は喜びを爆発させ、シメオネ監督はピッチサイドを全力疾走しながら歓喜を表現。アトレティコが、苦しみ抜いて準々決勝に歩を進めた。
via:goal.com
・ハイライト
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・uefa.com
・sky sports
・ESPN
・whoscored.com
・PK戦制してCLベスト8へ…アトレティコを支える下部組織出身選手
http://www.soccer-king.jp/news/world/cl/20160316/411629.html
・シティ、初の欧州8強進出も… DFが2人負傷離脱と今後に不安
現地時間15日、チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦セカンドレグでマンチェスター・シティとディナモ・キエフが対戦し、0-0で引き分けた。この結果、2試合合計でシティが3-1と上回り、クラブ史上初のCLベスト8へと進出した。
初戦ではシティがアウェーで3-1で勝利。ある程度の余裕を持って試合に臨める展開だった。
相手にボールを持たせても、守備に重心を置いてシティは試合を展開。落ち着いて試合を進めていたが、思わぬアクシデントに襲われる。開始5分、コンパニが最終ラインの裏へ送られたボールを回収に走った際、脚の筋肉を痛める。すぐさま自らボールを蹴り出し、マンガラと交代した。
12分にはクリシのクロスでゴールに迫ろうとしていたシティだが、15分にはペジェグリーニ監督の悩みが増す。接触プレーでオタメンディが脚を痛めた。いったんはピッチに戻ったが、やはりダメだった模様で、24分にはデミチェリスと交代。2人のCBを負傷交代で失うことになった。
ボール保持率ではややキエフにやや上回られていたシティが、41分にはカウンター。ナバスがゴール右のアグエロへパスを送るがボールがそれてしまい、チャンスとはならなかった。
後半開始からキエフは選手を交代して攻勢を強めようとする。シティもやや、積極性を増そうとしていた。
シティは58分に、チャンスをつくる。シルバの鋭い縦パスをアグエロが落として、トゥーレが1タッチでまた縦に送る。ゴール右からアグエロがシュートを放つが、ファーサイドのネットを揺らすには至らなかった。
61分にもトゥーレからのパスがシュートを導く。速い攻撃からの縦パスに、走り込んでいたのはナバス。だが、ゴール右からのシュートは左ポストを叩き、得点にはならなかった。
62分にはシティDFがミスしたボールを拾ったキエフが、ヤルモレンコのドリブルシュートにつなげる。だが、これはGKハートの正面を突いた。
キエフは62、64分と立て続けに選手を代えて、交代枠を使い切る。だが大きく流れを変えるには至らない。
77分にはシティが速攻を狙う。ナバスからの大きなロブのパスをボックス前でアグエロが見事にトラップ。1回転してDFをかわしてボックス内に走り込んだシルバへ縦パスを送るが、これはわずかに合わなかった。
87分には、キエフに大きなチャンスが訪れる。右サイドから崩してゴール前に人数をかけ、シュートに持ち込む。だが、シティ守備陣のブロックに弾き返された。アディショナルタイムにもボックス内からのシュートに持ち込むが、これも体を張った守備に阻まれた。
スコアが動かないまま、試合は終了。シティは初の8強進出を決めたが、またもキャプテンのコンパニが負傷するなど、シーズン終盤に向けて不安も残している。
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